サウナで、タオルや大きなうちわを使って熱い風を送ってくれる人。それが「熱波師(ねっぱし)」です。
「熱波師ってどんな仕事?」「年収や給料はどれくらい?」「資格がないとなれないの?」。少し珍しい仕事だからこそ、気になることも多いはずです。この記事では、熱波師の基本をまとめてお伝えします。

熱波師とは?サウナで「風を送る人」
熱波師とは、サウナ室で熱い風を送り、利用者のサウナ時間を盛り上げる人のことです。
まず、高温に熱したストーンへアロマ水などを注ぎ、蒸気を立ちのぼらせます。次に、その蒸気をタオルやうちわでかき混ぜ、一人ひとりに風として届けます。
風が体に当たると、同じ室温でもぐっと熱く感じられます。
熱波とは、この「蒸気をのせた熱い風」を届けるサービスのことです。熱波の意味について、JSNAは「ただ熱を届けるもの」ではないと説明しています。その場にいる一人ずつの状態に気を配り、安全を守りながらもてなすこと。それが熱波だという考え方です(出典:日本サウナ熱波アウフグース協会 公式サイト)。
風を送る技術と同じくらい、気配りが大切な仕事なのです。
熱波師の読み方と「アウフギーサー」との違い
熱波師は「ねっぱし」と読みます。「サウナで風を送る人」と検索して、この言葉にたどり着く人も多いようです。
アウフギーサーは、ドイツ語のアウフグース(Aufguss)に由来する呼び名です。アウフグースを行う人を指し、日本では熱波師とほぼ同じ意味で使われています。
呼び方の違いは、ルーツの違いと考えるとわかりやすいでしょう。日本では、大きなうちわや掛け声を使う独自の「熱波」スタイルも広まりました。
熱波・ロウリュ・アウフグースの関係
よく似た3つの言葉を、ざっくり整理しておきます。
- ロウリュ(ロウリュウ):サウナストーンに水をかけて蒸気を出すこと。またはその蒸気。フィンランド発祥。
- アウフグース:ロウリュの蒸気をタオルで動かし、風として届けるサービス。ドイツ発祥。
- 熱波:アウフグースをもとに、日本で独自に発展したスタイルを指すことが多い言葉。
音楽や照明で物語を演出する「ショーアウフグース」というスタイルもあります。それぞれの歴史や世界大会については、こちらで詳しく紹介しています。
▶ 【完全版】サウナのアウフグースとは?ロウリュとの違い・驚きの効果・初心者向けマナーを徹底解説
熱波師の仕事内容
熱波師の仕事は、華やかな本番だけではありません。準備や後片付け、施設の仕事まで含めて考えておきましょう。
サウナ室での熱波(本番)
本番の進め方は施設ごとに違いますが、大まかには次のとおりです。
- はじめのあいさつと、水分補給や「無理をしない」ことの呼びかけ
- サウナストーンに水をかけ、蒸気を発生させる
- タオルやうちわで蒸気を動かし、室内に行き渡らせる
- 一人ひとりに向けて風を送る
- 終わりのあいさつ
タオルさばきには、さまざまな技があります。JSNAの講座では、フラッグやループフラッグ、パラシュート、エンジェルといった基本の技を学べると案内されています(出典:JSNA 熱波師検定・講座)。アウフグースの技の一覧を知りたい方は、まず公式の講座内容を見てみるとよいでしょう。
本番前後の準備と安全確認
本番の前には、アロマ水の用意や換気、室温の確認などを行います。
本番中も、お客さんの様子から目を離しません。顔色の悪い人や、つらそうな人がいないかを確かめながら風を送ります。
本番の後は、換気やサウナマットの交換、片付けが続きます。
施設スタッフとしての仕事
施設に勤める熱波師は、熱波以外の業務を兼ねることが多いと言われています。
- フロントでの受付
- 浴室・サウナ室の清掃
- 水風呂など設備の点検
1日の流れ(イメージ)
施設で働く熱波師の1日を、イメージとして紹介します。実際の時間割は施設によって異なります。
- 出勤後:館内の清掃、設備の確認
- 日中:フロント業務や浴室の見回り
- 熱波の時間:準備 → 本番 → 換気・片付け
- 合間:サウナマットの交換、水質のチェック
- 夜:2回目の熱波を担当して退勤
熱波師の年収・給料の目安
「熱波師の年収」「熱波師の給料」は、特に多く調べられているテーマです。ただし、熱波師だけを対象にした公的な賃金統計は確認できませんでした。
そこでここでは、収入がどう決まるかを中心にお伝えします。
施設に勤める場合(正社員・アルバイト)
温浴施設に勤める場合、給料は施設の給与体系で決まります。雇用形態が正社員なら月給、アルバイトなら時給が基本です。
アルバイトの時給は、地域の最低賃金を下回ることはありません。最低賃金は都道府県ごとに決まり、毎年見直されています(出典:厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」)。
熱波の担当回数に応じて、手当がつく施設もあるようです。
フリーランス・プロ熱波師の場合
フリーランスの熱波師は、イベントへの出演料がおもな収入になります。人気が出れば、遠方の施設やイベントに招かれることもあります。
グッズ販売やSNSでの発信など、熱波以外の活動を収入につなげる人もいます。
一方で、出演の機会は人気や実績に左右されます。本業の会社員を続けながら、週末だけ熱波師の仕事をする人もいます(参考:NTTコミュニケーションズ「SHINES」掲載のインタビュー)。
年収を考えるときのポイント
- 施設勤務は、熱波以外の業務も含めた「施設スタッフとしての収入」と考える
- フリーランスは、出演料だけでなく移動の負担も含めて考える
- 日当・時給などの条件は、求人ごとに必ず確認する
施設のスタッフとして働きながら熱波を担当する人もいれば、本業は別にあって、週末だけ熱波師をしている人もいます。お給料に熱波の手当がつくこともあれば、イベントの出演料が収入になることもあって、働き方によってかなり違うようです。
熱波師になるには?未経験から目指す4ステップ
熱波師になるための決まったルートはありません。ここでは、未経験から目指す場合の一般的ななり方を紹介します。
ステップ1:お客さんとして熱波を受けてみる
まずは、いろいろな施設で熱波を受けてみましょう。風の強さや声かけ、BGMの使い方など、熱波師ごとの違いが見えてきます。
「自分ならこうしたい」というイメージを持つことが、最初の一歩です。
ステップ2:熱波師検定で基礎を学ぶ
熱波師になるのに、必須の資格はないとされています。それでも基礎を体系的に学ぶなら、JSNAの「熱波師検定」が入口になります。検定の種類は、次の章でくわしく紹介します。
ステップ3:温浴施設のスタッフとして現場を経験する
熱波は、実際のサウナ室で経験を重ねることが大切です。温浴施設のスタッフとして働き、先輩の熱波を手伝いながら学ぶ方法があります。
ただし、すべての施設に熱波サービスがあるわけではありません。応募の前に、熱波を担当できるかを確認しておきましょう。
ステップ4:技を磨き、イベントやSNSで発信する
経験を積んだら、タオルさばきや演出を自分らしく磨いていきます。イベントへの出演やSNSでの発信を通じて、名前を知ってもらうことも大切です。
プロ熱波師として独立するなら、施設とのつながりを少しずつ広げていくことになります。
熱波師に資格は必要?熱波師検定の種類
熱波師には、国家資格のような必須の資格はないとされています。ただ、安全に熱波を行うための知識は欠かせません。そこで役立つのが、JSNAの熱波師検定です。
熱波師検定(JSNA)の種類
JSNAの公式サイトでは、未経験の人はBから始め、SUS、Aへと段階的に学べると案内されています。2026年10月時点の公式情報をまとめると、次のとおりです。
- 熱波師検定B:未経験OK・高校生以上。サウナを安全に楽しむための知識、ロウリュの基本、タオルの扱い方、お客さんへのおもてなしを学びます。会場またはリモートで受講、約2時間30分。受講料は26,400円(税込、認定証・認定バスタオル付き)。
- 検定SUS(ステップアップ):B認定者が対象。姿勢や歩き方、扇ぎ方の応用、お客さんの状態を読む判断力などを学びます。会場で受講、約2時間30分〜3時間。受講料は26,400円(税込)。
- 検定A:BとSUSの修了者が対象。実際のサウナ室を使い、現場で働ける実践力があるかを確かめます。受講料は23,200円〜(開催内容により異なる)。
2026年4月からは、認定に有効期限(受講日から2年間)が設けられたと案内されています。
最新の日程や料金は、必ず公式サイトで確認してください(出典:JSNA 熱波師検定)。

「サウナ資格」との違い
サウナ資格には、熱波師検定のほかにも、サウナの知識を学ぶ検定や資格があります。たとえば「サウナ・スパ健康アドバイザー」は、日本サウナ・スパ協会の資格です。
こうした資格は、サウナの入り方や知識を学ぶのが中心です。熱波の技術を学ぶ熱波師検定とは、目的が違います。
▶【2026最新】サウナ検定(サ検)とは?サウナ・スパ健康アドバイザーとの違いを徹底比較!
熱波師の仕事はきつい?やりがいと苦労
やりがい
熱波師の大きな魅力は、お客さんの反応をその場で受け取れることです。風を送った直後の表情や拍手は、ほかの仕事ではなかなか味わえません。
熱波が終わったあとに、お客さんから「気持ちよかった、ありがとう」と声をかけてもらえると、やっていてよかったなと思えるはずです。みなさんの拍手をもらえた瞬間は、やっぱりうれしいですね。
苦労すること(きついと言われる理由)
一方で、熱波師は「きつい」と言われることもある仕事です。高温のサウナ室で、全身を使ってタオルを振り続けるからです。
体を動かす時間が長いと、汗をたくさんかきます。脱水や熱中症を避けるために、こまめな水分・塩分の補給と休憩が大切です(参考:厚生労働省「熱中症関連情報」、環境省「熱中症予防情報サイト」)。
めまいや吐き気、頭痛などがあるときは、無理をせず休みましょう。症状が良くならないときは、医療機関を受診してください。
また、熱波の時間は施設の営業に合わせて組まれます。夜や週末に担当が入ることもあります。
女性の熱波師・有名な熱波師を知るには
女性でも熱波師になれる?
熱波師は、性別に関係なく目指せる仕事です。JSNAの検定Bも、対象は「未経験OK・高校生以上」と案内されており、性別の条件は示されていません。
熱波師は、性別に関係なく目指せる仕事です。体力は必要ですが、タオルの扱い方や立ち方のコツをつかめば、無理なく続けやすくなります。応募する前に、休憩できる場所や更衣室の環境を施設に聞いておくと、安心して働けますよ。
有名な熱波師やイベントを探すには
有名な熱波師の名前や出演予定を知りたいときは、次の方法が便利です。
- 熱波師本人のSNSで、出演スケジュールを確認する
- 温浴施設の公式サイトやSNSで、熱波イベントやロウリュイベントの告知を見る
- 熱波の大会をチェックする
熱波甲子園とは、JSNAが開いている大会です。全国の熱波師が集まり、技術とおもてなしを競う場だと紹介されています(出典:JSNA 公式サイト)。
海外には、アウフグースの世界大会もあります。くわしくはアウフグースの記事をご覧ください。
熱波師の求人・バイトの探し方
熱波師の求人は、「熱波師」という職種名で出ているとは限りません。「サウナスタッフ」「温浴施設スタッフ」といった名前で募集されることもあります。
サウナの仕事を探すときは、次の点を確認しておきましょう。
- 熱波(ロウリュサービス)を担当できるか
- 正社員かアルバイトか、勤務する時間帯(夜・週末など)
- 熱波の研修や、手当があるか
- 熱波以外の業務内容(受付・清掃など)
気になる施設に、直接問い合わせてみるのもひとつの方法です。
熱波師に向いているのはどんな人?
- サウナが好きで、研究するのが楽しい人:どうすればもっと心地よくなるかを考え続けられる人
- 誰かを楽しませることに喜びを感じる人:音楽や香り、声かけで空間をつくることを楽しめる人
- 周りをよく見られる人:お客さんの小さな変化に気づける人
- 体力があり、自分の体調を管理できる人:無理をせず、休む判断ができる人
熱波を受けるときに知っておきたいこと
熱波師を目指す人も、まずはお客さんとして熱波を楽しむところから始まります。熱波は刺激が強いため、次の点に気をつけましょう。
- 入る前に、水分をとっておく
- 初めてのときは、熱さがやわらかい下の段に座る
- 「気持ち悪い」「苦しい」と感じたら、途中でも静かに退室する
- 飲酒後や体調がすぐれないときは、サウナや熱波を控える
- 持病がある人や妊娠中の人は、事前に医師に相談する
上記は一般的な注意点です。体調に不安がある場合は、医療機関に相談してください。
▶ 【警告】サウナ前・二日酔いの飲酒は絶対NG!安全にサウナ後のビールを楽しむ完全ガイド
▶ 熱さから頭を守りたい方は、サウナハットの記事も参考にしてください。
よくある質問
Q. 熱波師とは何をする人ですか?
A. サウナ室でロウリュの蒸気を起こし、タオルやうちわで風を送る人です。お客さんの様子に気を配ることも大切な役目です。
Q. 熱波師の年収はどれくらいですか?
A. 施設勤務かフリーランスかで大きく変わります。熱波師に限った公的な統計はないため、求人や本人の発信で確認するのがおすすめです。
Q. 熱波師になるのに資格は必要ですか?
A. 必須の資格はないとされています。基礎を学ぶなら、JSNAの熱波師検定Bが入口になります。
Q. アウフギーサーとは何ですか?
A. アウフグースを行う人のことで、日本では熱波師とほぼ同じ意味で使われます。アウフギーサーの年収も、働き方によって変わる点は熱波師と同じです。
Q. 熱波師はバイトからでも始められますか?
A. 温浴施設のアルバイトとして働きながら、熱波を学ぶ人もいます。熱波を担当できるかは、施設ごとに確認しましょう。
まとめ
- 熱波師(アウフギーサー)は、サウナ室で蒸気と風を届け、安全とおもてなしを提供する人
- 年収・給料は、施設勤務かフリーランスかで大きく変わる
- 必須の資格はないとされ、学ぶならJSNAの熱波師検定(B → SUS → A)が入口
- 高温での体力仕事のため、熱中症対策と体調管理が欠かせない
「熱波師になりたい」と思ったら、まずはお客さんとして熱波を受けてみましょう。そのうえで、公式サイトで検定の日程を調べるところから始めてみてください。
自分のペースでロウリュを楽しむなら、MENTEのプライベートサウナ
熱波の迫力も魅力ですが、「自分のペースで熱さを調整したい」という日もありますよね。大阪のMENTEには、ロウリュを楽しめるプライベートなサウナがあります。

MENTE梅田店(男性専用の個室サウナ)
- 内容:セルフロウリュで、自分好みに調整できる個室サウナ。METOS社製のヒーターを使用
- クールダウン:各個室に400口径の大型オーバーヘッドシャワー(常時15℃前後の冷水)
- 料金:個室サウナ 80分 5,000円/ペア利用 80分 10,000円(初回のみ会員登録手数料1,000円)
- セットプラン:個室サウナ+クリームヘッドスパ 150分 13,500円 など
- 対象:男性専用
- 場所:大阪市北区茶屋町15-9 XROSSchayamachi S 3 1F(阪急梅田駅から徒歩5分)
- 営業時間:10:00〜24:00
- 予約:WEB(ホットペッパービューティー)、LINE、電話(06-6743-4442)
- 詳しくは:MENTE梅田店
MENTEはなれ福島店(一棟貸切のサウナ&スパ)
- 内容:湾曲型のロウリュウサウナと、超軟水の水風呂(約15℃)がある一棟貸切の空間
- 利用人数:最低2名〜最大6名(男女で予約可能)
- 料金:2.5時間 33,000円/3.5時間 42,350円
- 時間内は、ヘッドスパなどの施術やドリンクを利用できます
- 場所:大阪市福島区福島3丁目13-12(新福島駅から徒歩4分)
- 営業時間:10:00〜24:00
- 予約:WEB(TableCheck)、LINE、電話(06-6867-9949)
- 詳しくは:MENTEはなれ福島店
ご予約は店舗一覧ページから、料金の詳細は料金ページでご確認ください。
出典・参考
- 日本サウナ熱波アウフグース協会(JSNA)公式サイト:https://neppa.jp/index.html
- JSNA 熱波師検定:https://neppa.jp/kentei.html
- 厚生労働省「地域別最低賃金の全国一覧」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/roudoukijun/minimumichiran/
- 厚生労働省「熱中症関連情報」:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/nettyuu/index.html
- 環境省「熱中症予防情報サイト」:https://www.wbgt.env.go.jp/
- NTTコミュニケーションズ「SHINES」:https://www.ntt.com/shines/posts/p-c_20240322.html
- 日本サウナ・スパ協会:https://sauna.or.jp/