
今や日本中で空前のブームとなっている「サウナ」。休日のリフレッシュや日々の疲れを癒やすために、定期的にサウナに通っている方も多いのではないでしょうか。
しかし、「サウナはいつ、どこで生まれたのか?」「なぜ日本人はこれほどまでにサウナに惹かれるのか?」という歴史的な背景を知っている人は意外と多くありません。
本記事では、2000年前のフィンランドにおける発祥から、日本古来の「蒸し風呂」文化、そして現代の第3次サウナブームに至るまでの歴史と進化の軌跡を徹底解説します。
歴史を知ることで、あなたの「ととのう」体験はより深く、より豊かなものへと変わるはずです。
Contents
サウナの歴史を知れば「ととのう」体験がさらに深まる
サウナの歴史を知ることで、日々の「ととのう」体験はより深く、豊かなものになります。
なぜなら、サウナは単なる入浴施設ではなく、過酷な自然環境を生き抜くための知恵や、神聖な精神文化として発展してきた背景があるからです。
例えば、サウナ室での静寂や熱気も、かつてのフィンランドの人々が命をつないだ歴史の延長線上にあります。また、日本にも古来から独自の蒸気浴文化が存在していました。
現代の私たちが楽しむサウナのルーツを理解することは、心身を癒やす時間をさらに有意義なものに変えてくれるのです。
サウナの発祥はどこ?フィンランドにおける2000年の歩み

サウナの発祥の地はフィンランドであり、その歴史は約2000年前にさかのぼるとされています。
その起源は、厳しい寒さと冬の長い極夜を生き抜くため、食料貯蔵庫や燻製小屋を沐浴の場として転用したことにあるとされています。
初期のサウナは煙突を持たない「スモークサウナ」と呼ばれるものでした。室内で大量の薪を燃やして煙を充満させ、半日ほどかけて空間全体を温めたのち、煙を外へ逃がしてから余熱を楽しみます。熱せられた香ばしい石に水をかけて蒸気を発生させる「ロウリュ」の文化も、この過酷な自然環境の中で生み出された生活の知恵でした。
熱した石に水をかける「ロウリュ」もこの時代に生まれました。また、無菌状態に近いサウナ室は、出産や病気の治療、さらには死者を弔う神聖な場所としても機能していました。
このように、フィンランドにおけるサウナは単なるリフレッシュの場ではなく、人々の生と死に密接に関わる不可欠な存在として発展してきたのです。
日本古来のサウナ史!実はDNAに刻まれていた「蒸気浴」

日本におけるサウナ(蒸気浴)の歴史は、実はフィンランド式サウナが伝来するはるか昔から存在していました。
「サウナは海外からやってきたもの」と思われがちですが、実は古来の日本人は、湯船にたっぷりのお湯を張る「温水浴」よりも先に、蒸気で体を温める「蒸気浴」を日常的に行っていました。
その証拠に、『古事記』や『日本書紀』といった日本最古の歴史書にも、石室を用いた入浴(現在のサウナに近い形)の記述が残されています。瀬戸内海沿岸などに残る「石風呂」や「釜風呂」は、焼いた石に海水をかけたり、薬草を敷き詰めたりして蒸気を発生させる和風サウナの原型です。
また、江戸時代には「戸棚風呂」や「から風呂」と呼ばれる蒸し風呂が庶民の間で親しまれていました。
現代の日本人がサウナに熱狂するのは、私たちのDNAに「蒸気浴」を愛する土壌が古くから根付いていたからだと言えます。
フィンランド式サウナの伝来と日本の「3つのブーム」
現代に通じるフィンランド式のドライサウナが日本に定着するまでには、大きく分けて3つの転換期(ブーム)がありました。
時代ごとの社会背景やライフスタイルの変化に合わせて、サウナの目的と楽しみ方が進化してきたためです。
- 第1次ブーム(1964年〜): 1964年の東京オリンピックを機に、選手村にサウナが設置されました。これを契機に本格的なサウナ施設が誕生し、カプセルホテルと併設されるなど「働く男性の憩いの場」として定着しました。
- 第2次ブーム(1990年代〜): スーパー銭湯や健康ランドが台頭し、温浴施設が大型化しました。遠赤外線サウナが普及し、家族連れや幅広い層が日常的にサウナを楽しむ環境が整いました。
- 第3次ブーム(2010年代後半〜): ドラマ『サ道』のヒットなどを背景に「ととのう」という言葉が一般化しました。若者や女性にも支持が広がり、アウフグースなどのエンターテインメント性や、メンタルヘルスとしての価値が再評価されています。
時代とともに客層は変化しましたが、心身の回復を求める人々の拠り所として、日本のサウナ文化は確固たる地位を築きました。
世界のサウナ文化と比較!現代へ続く進化の形

サウナはフィンランド発祥ですが、世界各地でも独自の熱気浴・蒸気浴文化が育まれてきました。
フィンランドで生まれたサウナに似た文化は、各国の気候や宗教、生活習慣と結びつき、世界中で独自の進化を遂げています。
例えば、ロシアに伝わる「バーニャ」はフィンランドのサウナよりもさらに湿度が高く設定されており、白樺などの枝葉(ヴェーニク)で全身を叩いて血行を促進するダイナミックな入浴法が特徴です。
一方、トルコや中東地域に根付く「ハマム」は、美しい大理石で作られた空間での穏やかな蒸気浴であり、あかすりやマッサージとセットで行われる社交の場として機能してきました。
また現代では、自然と一体化する「テントサウナ」や、個人の空間を重視する「プライベート(個室)サウナ」など、スタイルが多様化しています。
世界の文化との比較や近年の多様化を見ると、蒸気浴が人類にとって普遍的なリラクゼーションであることが分かります。
まとめ
今回は、フィンランドでの発祥から日本の歴史、そして現代のブームに至るまでのサウナの歩みを解説しました。
サウナの背景にある「過酷な自然を生き抜く知恵」や「日本古来の蒸し風呂文化」を知ることで、サウナ体験の価値は格段に上がるからです。
次回サウナ室に入った際は、2000年前のスモークサウナや江戸時代のから風呂に思いを馳せてみてください。ただ汗を流すだけでなく、深い歴史のバトンを受け取っているような感覚を得られるはずです。
サウナの歴史的背景を理解し、あなた自身の「ととのう」体験をさらに豊かなものへと進化させていきましょう。
